郵便でも封筒のなかから怪しい物体が出てきたら注意するのが当然。でもパソコンで,たったそれだけのことをしていない人は多いようだ。おざなりになっているのは,そういう人の頭なのだろう。
ラピッドセブン社の発表したZIPのファイル名処理に潜む厄介な特性によって,長いファイル名を付けられたウイルスをZIP圧縮した場合,ウイルスがウイルスフィルタを通過してしまう。重要なソフトウェア製品のアップデートサービスでもこのZIP特性を使っているものがたくさんあるため,厄介な問題となっている。
ウイルスのファイルを持っている人なら,そのウイルスファイルのファイル名をとても長い名前にし(半角100文字ぐらいにすれば申し分ない),それをZIP圧縮する。するとそのZIPファイルはウイルス対策ソフトのウイルスチェックにはなんの反応も示さない。WindowsXPでは標準の機能で,ZIPファイル内のファイルにアクセスできるのに,だ。
企業などではメールサーバー上でのウイルスチェックを強化し,デスクトップはおざなりになっていることが多い。水際でウイルスはすべて阻止できているから,パソコンを使っている人は安心,ということだ。だが今回のケースではすべてのウイルスが簡単に入り込んでくることになる。おざなりになっているのはやはりパソコンを使っている人の能力であり,ZIP圧縮を解凍して妙に長い名前のファイルができたらやばい,ということを知ってさえいればなんてことない話なのだが。世界中にあるZIP解凍に関するツール・DLLがこの問題に対応するには,とてつもない時間がかかる(多くのオンライン・アップデートを行うソフトに影響があるので解凍ツール・DLLの改訂は遅々として進まないだろう)。そこに,あなたが作ったウイルスが繁殖できる土壌がある。日本語の2バイトファイル名はただでさえ長くなるので,自然さを醸し出せそうだね;-P。
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